WORKS

Installation

BIRD-EYE VIEW 浮世鳥瞰図
「雲間から垣間見る」日本美術の伝統的な視点を用いて「引きで可視化される場景の本質」を表現するため、山水画をモチーフに循環するランドスケープを和紙の原料である楮繊維にて制作しました。

GALLERY CAMELLIA 2016


Arena 1 Gallery 2015


結の場
私たちのくらしの中にはたくさんの「むすび」があります。
「むすび」とは、「くくる・束ねる」という行為により事物を固定するだけでなく、「約束をむすぶ・人と人をむすぶ」など縁や心をつなぐ、関係づける、ネットワークを作るなどの意味でも使われます。
田植えや稲刈りなどの農作業の際に昔から行われてきた共同作業のシステムは「結(ゆい)」と呼ばれますが、この作品の展示空間を「結(ゆい)の場」としました。
細い紐を編み・結ぶという単純なしかしシステマチックな作業の反復で作られた作品を自由に変化・増殖させ、その拡がっていくプロセスを共に楽しんでもらいたい。作品を観るだけでなく、自由に関わってほしいと思います。
例えば、サンゴが分裂を繰り返して仲間を増やして行くかのように、あるいはまるでコンピューターネットワークにあらわれた小さな言葉がたちまち圧倒的な影響力を得るかのように、どんどん変化してほしい。
どのような「場」に成長するのかいつも楽しみにしています。

茨城県竜ケ崎市竜ヶ崎幼稚園 Kindergarten Museum 2014茨城県日立市日立シビックセンター1階アトリウム 2013アカリチョコレートギャラリー 2013

もうひとつの美術館 2012

馬頭広重美術館 2011


Gallery Lara Tokyo 2010


平沢官衙歴史広場(野外彫刻展)2009


空蝉のかたち
「空蝉うつせみのかたち」

空蝉(うつせみ)とは、セミの抜け殻を指す言葉で短命なセミの儚さから、覚醒した現実ではなく抜け殻のような虚ろで曖昧な状態又は幻影という意味を含んだ古い言葉です。
シリーズ「空蝉のかたち」のテーマは、「装う」行為における虚像と実像がテーマです。
「装う」という言葉には、「服を纏う」以外に「いかにもそうであるかのようにみせる」という意味があります。私のねらいは、その装いつつも隠しきれない実像を明らかにする事です。
人が衣服を纏う行為は、生命を守ろうとする本能的要因の他に呪術、信仰、性差、身分、階層などの社会的座標を表すものとして古代から現在まで継承され、発展してきました。
本作品は、皮膚のように柔軟で強靭な和紙で衣を作り、痕跡を刷り取る木版画の技法を用いて身体をトレースするようにひとつの画面に記録して行きます。
シリーズ「空蝉のかたち」は、いかにもそうであるかのように見せかける「よそおう」という行為によって覆われ見えない実像をそこに透過させ重ねて現した作品です。
2014年2月制作の「空蝉のかたち-2014-1 」は、中国の伝統的な旗袍(チイパオ)=チャイナドレスの形とは違い前身頃の合わせが反対の左前でボタンをかける洋服スタイルになっています。
旗袍(チャイナドレス)を日常着として、または正装として着る地域においては、違和感のあるデザインでしょうが、日本では、既製服としてどちらの合わせのものも売られており、型紙をおこしたスタイルブックのそれも左前でした。
仮に和服ならば左前は、死人の装束ですから特別な意味を持つ事となりますが、これも他の国、地域によっては別にどうでも良い違いかもしれません。
国、 文化、言語、宗教、常識の違う場所に身を置いた時、装い方は、大きく変わるはずです。
その環境の変化によって自分がどのように「よそおう」のか、これからも自己検証するように制作して行きたいと思います。

空蝉のかたち2009-2014空蝉のかたち2008-Oギャラリー